気が付いたら、大人になっていた。
中身の話ではなく年齢の話だ。
会社、仕事、責任、金の現状から予想される将来。
素面じゃ人生やってなどいられぬ。
そして酒を嗜むようになった。
二十歳過ぎたら、悪いことなんかじゃないぜ。
学生時代、様々な授業を受けてきたが
「酒の飲み方」という科目はなかった気がする。
正しい飲み方ってなんだろう?
接待のときのマナーなんかは、本でも読んで勉強しな。
ある程度の年齢になったら、
「サマになる飲み方」をしたいのではないだろうか。
私こと酒飲みの32歳男性が、
誰に頼まれたわけでもないのに「大人の教科書」と銘打って、学校じゃ教えてくれない酒場の流儀を独断と偏見で紹介しようと思う。
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著者:クドウさま
ブログ:人生流離記
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今回は初めてだと入りにくい「立ち飲み屋」での流儀。
立ち飲み屋とは何ぞや
立ち飲み屋というのは、文字通り立ったまま飲み食いする酒場である。
古くは江戸時代、酒屋の店頭で小銭を支払い酒を飲む「角打ち」に由来するものとされている。
数は減ってきているそうだが、都内の飲み屋街にはまだまだ存在する形態だ。
魅力としては、
・安く飲むことができる
・立っているという緊張感からあまり酔わない
・ひとりでサクッとにぴったり
という点だろうか。
おそらく、初めて入る際には勇気がいるだろう。
常連さんが一杯いるし、しきたりもわからない。
とりあえずを入店しながら「挨拶(会釈程度でも可)」を店員さんにしつつ、「人数」を明確に伝えよう。
入った瞬間に店内を見まわし、店員さんと目を合わせながら行えばスムーズに案内してもらえるはずだ。
入店に気づかれずにいるのは非常に気まずい。
もしも気づかれなかったら「すみません」と声をかけること。
注文のコツ
店が混んでいる場合など、店員さんを呼んでも気づいてもらえないケースが懸念されるので、注文は極力スムーズに行うことが大事だ。
最初に席に案内された時点で、一杯目の酒とすぐ出るつまみを2品くらい注文する。
私の場合は「ビールと冷やしトマト」にその日の気分でもう一品付けるのだが、
このように
「どこの店にもありそうなメニューでの自分的定番」
を自分の中に持っておくと便利だ。
立ち飲み屋だと、煮込みもすぐ出るのでお勧め。
一杯目を飲みながら、メインとなるつまみと二杯目を選ぶ。
壁のお品書きを見るもよし、黒板のおすすめから頼むもよし。
一杯目を飲み干すちょっと前までには決めて店員さんを呼ぶ。
店内がガヤガヤしている場合は、一発で伝えるために、
「声を張る」「手を挙げながら店員さんを見る」
のがおすすめ。
以降のおかわり、追加注文の際も同様である。
酒を頼む際は、提供と同時に空いたグラスを渡せるように飲むペースを調整しよう。
まだだいぶ残っているのに頼むのはNGだ。
立ち飲み屋で気を付けること
さて、立ち飲み屋で気を付けること、主にマナー面を紹介しよう。
酔客とのトラブルや店への出入り禁止などにつながるため、例え酒が入っていてもマナー違反には注意したい。
酔いすぎない
限界まで飲むことが美学のような人もいるが、外で飲む際はほろ酔いでとどめておくのが大人の礼儀である。
特に立ち飲み店では泥酔客を嫌う傾向にあり、早々に会計を促されてしまうことも。気に入った店でも次回から行きづらくなる(あるいは出禁)ので、酒量には気を付けたい。
店のルールを見極める
店舗によって独自のルールが存在するケースがある。
・酒は〇〇杯まで
・ナンパ禁止
・携帯禁止
など様々だ。
そういうルールがある場合、大概は店内に張り紙がしてあるので確認しよう。
また「常連の領域を侵さないようにする」というにも大事なポイントである。
例えば、
「椅子がある席がひとつだけあるのに空いている」
場合などは確実に常連の人向けだ。
ほぼ毎日来るおじいちゃんの指定席だ。きっと。
間違っても座ってはいけない。
ただし、初見で様々なルールを見極めるのはなかなか難しいこともあるので、指摘されたら素直に謝ろう。
それが理不尽なものだったら、会計して二度とその店には入らなくて良いのだ。
長居しない
立ち飲み屋は回転率が高めであり、油断していると待っている人がいたりする。
ダラダラ長居するのもあまり格好が良いものではないので、1時間くらいで席を立とう。
飲み足りなければ、次の店へ。
それが粋ってやつさ。
他にもカウンターに肘を付けないとか、ひとりでつまみ頼みすぎるのはみっともないとか、言い出したらキリがないのでこのくらいで。
まとめ
いかがだっただろうか。
独断と偏見で立ち飲み屋の楽しみ方を紹介した。
ルールやマナーについても触れたが、基本的には公共の場であることと、大人の世界であることを念頭に、常識で行動すれば問題はないはずだ。
はじめは入りづらいかもしれないが、勇気を出して入ってみることで自分にとっての「憩いの場」が見つかるかもしれない。
気に入った店ができたら何度も足を運び、いつしか常連となるのもうれしいものだ。
ぜひ、挑戦してほしい。